第19回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展
日本代表・青木淳後援会

© Asako Fujikura + Takahiro Ohmura
目的と事業
本会は、青木淳がキュレーターを務める第19回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展での日本館展示(主催:国際交流基金)、それに付随する活動及びビエンナーレ後の発展的活動を支援することにより、国内外での日本館展示の認知度の向上を図り、日本の建築ならびに芸術のさらなる発展と国際的な交流、親睦を深めることを目的として設立しました。主な事業内容は下記の通りです。
「正会員」「賛助会員」「特別会員」で後援会は構成されております。
オープニングレセプションを開催
ビエンナーレの開幕後、キュレーターや作家、制作チームを囲んでのパーティーをヴェネチアにて開催いたします。
展示解説ツアーの開催
日本館のキュレーター及び出展作家が展示コンセプトを解説する会員向け特別ツアーを日本館で開催します。
記念品などの制作
日本館展示のコンセプトや展示風景などを盛り込んだコンセプトブックや記念品などを制作します。
※開幕時の公式パンフレットとは異なります。
日本国内で建築設計事務所を運営する40歳以下の建築家を対象に、調査・研究のためのヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展派遣を行ないます。
ご挨拶
キュレーター

キュレーター
ヴェネチア・ビエンナーレへの参加には、企画し出品するというだけの意義ではなく、それを機会に他国間との文化上の国際交流を促進し、多くの人々にビエンナーレの意義や楽しさを知ってもらう活動が期待されています。そこで民間から、作品制作・展示とは別に、そうした活動を受け持つ「後援会」をつくろうという機運が生まれました。今回の「ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展 日本代表・青木淳後援会」は、それを来年以降も継続し発展させようという試みの第一歩。この試運転を成功に導くご支援をよろしくお願いいたします。
建築家、AS Co. Ltd.
代表 青木 淳
後援会会長

後援会会長
日本の建築は世界に誇るべき数少ないコンテンツです。私は 20 代から建築に魅了され、2005年に前橋本社の設計を⻘⽊淳さんにお願いしたことで、現代建築の扉を開いて頂きました。2024年にオープンした新社屋の一部は、⻘⽊さんの著書 『原っぱと遊園地』 (2004 年) に着想を得ています。
建築家である⻘⽊淳さんがキュレーターとして新たな挑戦をするとのこと、 ⽇本からみんなで応援したいと思います。 「正しさが⽣み出しかねない凡庸な世界から逃れ、新たな創造の可能性を⾒出すことを試みる」 という本プロジェクト、 今からワクワクしています。また、後援会から若⼿建築家をヴェネチアに派遣することも考えています。皆様からのご⽀援のほどよろしくお願いいたします。
株式会社ジンズホールディングス
代表取締役CEO 田中 仁
後援会設立の経緯

ヴェネチア・ビエンナーレと日本
ヴェネチア・ビエンナーレは1895年に最初の美術展が開催されて以来、130年近くの歴史を有する芸術祭で、美術のみならず、ダンス・映画・演劇・建築まで、その幅を広げてきました。
日本は、美術展には1952年から、建築展にはパビリオン別の参加が開始された1991年以降毎回参加を続けています。日本館は建築展において、1996年および2012年に金獅子賞を2度受賞しており、日本の優れた建築家や作家、そのコンセプトを、世界に向けて発信する場として、きわめて重要な役割を担っています。

キュレーターと出展者
日本館のキュレーターは、国内外で活躍中の建築家の⻘木淳(AS Co. Ltd. 代表)です。
また、キュラトリアル・アドバイザーとして家村珠代(インディペンデントキュレーター、多摩美術大学教授)、出展作家として砂木(砂山太一+木内俊克による建築家ユニット)、藤倉麻子+大村高広(アーティストと建築家によるユニット)を迎えます。

撮影:原田祐馬 提供:国際交流基金
日本館へのご支援について
従来から、国際交流基金へのご寄付等を通して、日本館の展示そのものの実施に対するご支援をいただいております。
今般これに加えて、現地や日本国内での各種のイベント開催、記念品制作、帰国展の開催などを行うことで、国内外での日本館展示の認知度の一層の向上を図り、日本の建築ならびに芸術のさらなる発展と国際的な交流、親睦を深めることを目的として、後援会を設立しました。
日本館の展示概要
コンセプト
今回のヴェネチア・ビエンナーレ日本館では、「中立点 − 生成 AI との未来」をテーマに展示を行います。近年の目まぐるしい情報技術の発展の中で、今後あらゆる分野での活用が期待されると同時に未知な部分も多い生成AIに着目し、生成AIと人間が繰り広げる「対話」と、その対話が孕むテンションを通じて、人間と生成AIとが生産的な付き合い方をできる「中立点」 の模索を試みます。
展示では、日本館をその試みの対象とし、日本館を構成する複数の部位に生成AIを憑依させ、それらと人間との対話の中から中立点を見つけ、それをアクチュアルとフィジカルな改装に落とし込みます。「間」あるいは「中立点」という概念を通奏低音に持つ日本ならではの視点から、生成 AI と共に未来を切り開くことを目指します。


© SUNAKI (Toshikatsu Kiuchi and Taichi Sunayama)
キュレーター・ステートメント
幾何級数的なデジタル技術の進化のなか、ごく近い将来、生成AIが私たちの社会、環境、あるいは私たちの内面をも、まったく異なる様相に変えてしまうのではないかという不安が、現在、全世界を覆っています。とくに日本は、SNSなどデジタル技術の普及のなかで、ポリティカルにコレクトで、ただミスや欠点がない、最大公約数的で凡庸な社会に向かって突き進んでいるように思われます。
たしかに生成AIから返ってくるのは、既存データの総合から導き出されたもっとも間違えの少ない回答で、私たちはついついそれを「正解」と捉えがちです。しかし、その先に待っているのは、人間が生成AIに従う、生成AIが人間に代わって主体となる社会でしょう。
しかし、日本には、「間」という観念の歴史があります。「間」とは、古来、日常的な意味での「あいだ」である以上に、2つの事物の応答(対話)が孕むテンションであり、そのテンションのふるまいがひとつの虚なる主体として潜在するという観念でした。この伝統に倣うなら、主体を人間に置くのでも、生成AIに置くのでもなく、そのあいだの虚なる「中立点」つまり「対話」に主体を措定することに賭けてみる価値があると考えられますし、ここで提案するのもまさにその試みの実践です。人間も間違えるし、生成AIも間違える。その間違えと間違えとのやりとりのなかから、それらどちらにも属さない創造的な「つくること」が生まれるのではないか。まだ生成AIが揺籃期にあるうちに、生成AIとの生産的な付き合い方を確立し、それを今後の生成AIの進化の方向付けに役立てられないか、というのが狙いです。
今回は、「日本館」そのものをその試みの対象とします。生成AIを「日本館」を構成する複数の部位に憑依させ、それら生成AIとのギクシャクした対話のなかから、「日本館」をフィクショナルに、またアクチュアルに「改装」することを通して、人間と生成AIの「中立点」という主体を浮かび上がらせようとするものです。
青木 淳(あおき じゅん)
1956年横浜生まれ。1982年に東京大学修士課程建築学修了。磯崎新アトリエ勤務を経て1991年、青木淳建築計画事務所(現在、ASに改組)を設立、主宰。
代表作に、「馬見原橋」、「潟博物館」、「青森県立美術館」(1999年建築学会作品賞)、「ルイ・ヴィトン名古屋・栄」、「大宮前体育館」、「三次市民ホール きりり」、「京都市美術館(通称:京都市京セラ美術館)」(西澤徹夫との共作、2021年度建築学会作品集)など。
2005年に芸術選奨文部科学大臣新人賞、2021年に毎日芸術賞を受賞。京都市美術館(通称:京都市京セラ美術館)館長。東京藝術大学名誉教授。
第19回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展 日本館 展示概要
主催
独立行政法人 国際交流基金
会場
ヴェネチア・ビエンナーレ 日本館(ジャルディーニ地区)
展覧会名
中立点
キュレーター
⻘木 淳(建築家、AS Co. Ltd. 代表)
キュラトリアル・アドバイザー
家村珠代(インディペンデントキュレーター、 多摩美術大学教授)
出展作家
藤倉麻子+大村高広(アーティストと建築家によるユニット)
砂木(木内俊克と砂山太一による建築ユニット)
日本館公式ホームページ
https://venezia-biennale-japan.jpf.go.jp/j/
第19回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展 全体概要
主催
ヴェネチア・ビエンナーレ財団
会期
2025年5月10日(土)〜11月23日(日)
会場
ジャルディーニ地区、アルセナーレ地区、並びに市内各所
総合ディレクター
Carlo Ratti
総合テーマ
Intelligens. Natural. Artificial. Collective.
参考
ヴェネチア・ビエンナーレ 国際建築展 観客動員数 | 日本館 観客動員数 | |
2023年 | 299,150 人 | 190,008 人 |
2021年 | 298,600 人 | 172,576 人 |
会員種別
正会員
(20名限定)
一口 100万円
賛助会員
一口 100万円以上
特別会員
25,000円
会員特典
- 会員名のクレジット表記
- ヴェルニサージュ(内覧会、5/8-5/9)へのご招待
- 会期中に利用可能な入場券の進呈
- ヴェネチアにて開催するオープニングレセプション(5/11)へのご招待
- 日本館で開催する展示解説ツアーへのご招待
- 日本で開催するヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展関連イベントへのご招待
- ビエンナーレ国際建築展 サイン入り日本館コンセプトブック(会期後刊行予定)の進呈
研究渡航支援
ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展 研究渡航支援先公募
第19回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展(2025年5月~11月開催)において、日本館キュレーター・青木淳氏と日本館展示を支援する「第19回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展 日本代表・青木淳後援会」を発足しました。その活動の一環として、日本国内で建築設計事務所を運営する40歳以下の建築家を対象に、調査・研究のためのヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展派遣を行ないます。
その背景には、日本の若手建築家にとって、海外の建築を直接体験することや他国の建築関係者と交流することが将来の活躍に有意義であるにもかかわらず、円安などの影響もあり、なかなか実行するのが難しいということがあります。 こうした状況を踏まえ、ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展への渡航費と宿泊費を支援することで、日本の建築文化の振興に寄与することを目的としています。
<募集要項>
応募資格:2025年3月末日時点で40歳以下の、国内の独立した建築家
募集人数:若干名
対象都市:イタリア、ヴェネチア市内
派遣日程:2025年5月9日(金)~5月12日(月)
募集期間: 2024年1月6日(月)〜2025年1月24日(金)(Eメール必着)
結果連絡: 2025年2月14日(金)までに事務局から、採択合否に関わらず通知
審査方法:審査員による書類審査(履歴書・ポートフォリオ・提案書)
支援内容:
1)海外渡航費(エコノミークラス、25万円以内)※原則ご自身にて手配、立替払い、後日精算
2)現地宿泊費(5月9日、10日、11日3泊、1泊3万円以内)※原則ご自身にて手配、立替払い、後日精算
3)ヴェネツィア・ビエンナーレへの入場券1枚(5月10日開幕)
3)キュレーター/作家による日本館展示解説ツアーへ招待(5月11日開催)
4)後援会主催のオープニングレセプションへ招待(5月11日開催)
選考員
青木 淳(第19回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展 日本館キュレーター、株式会社AS 代表取締役)
田中 仁(第19回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展 日本代表・青木淳後援会 会長、株式会社ジンスホールディングス 代表取締役CEO)
応募先
以下のページからなるA4版3ページのPDFファイル(20MB以内)
1ページ目:氏名、生年月日、性別、携帯電話、E-MAILアドレス、事務所名称、住所、電話番号、学歴・学位、職歴、業績(主な設計業績、設計競技提案業績・展覧会出品業績など)
2ページ目:ポートフォリオ
3ページ目:「生成AIとの未来」をテーマにした画像表現+テキスト
注意事項:
・応募に関する質問は受け付けません
・審査結果についての理由は開示しません
応募書類
応募時に、①所属、②氏名、③連絡先(メール、電話、日中連絡できること)、④本応募に対する理由等(400文字以内)をメールに記載して下記までご応募ください。
お知らせ
2025-02-20

ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展・研究渡航支援事業 支援先公募 支援対象者決定!
第19回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展において、日本館キュレーター・青木淳氏と日本館展示を支援する「第19回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展 日本代表・青木淳後援会」を発足しました。その活動の一環として、日本国内で建築設計事務所を運営する40歳以下の建築家を対象に、調査・研究のためのヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展派遣を行ないます。
その背景には、日本の若手建築家にとって、海外の建築を直接体験することや他国の建築関係者と交流することが将来の活躍に有意義であるにもかかわらず、円安などの影響もあり、なかなか実行するのが難しいということがあります。こうした状況を踏まえ、ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展への渡航費と宿泊費を支援することで、日本の建築文化の振興に寄与することを目的としています。
厳正なる選考の結果、以下11名を支援対象者として決定いたしました!おめでとうございます!
- 秋吉 浩気
- 浜田 晶則
- 板坂 留五
- 板谷 優志
- 岩崎 伸治
- 好田 一生
- 中倉 徹紀
- 竹内 吉彦
- 津川 恵理
- 鶴田 航
- 渡辺 育